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しわしわの手

一人暮らしでよいと考えている人が増えています

「独居老人=孤独・寂しい」は間違い?

高齢者を取り巻く生活環境は、ここ30年あまりの間に大きな変化をしています。
内閣府が調査を開始した昭和55年(1980年)時点では、65歳以上の高齢者全体のうち三世代世帯に生活をしている人の割合は50%を超えていました。
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しかし2007年には20%を下回っており、2013年時点では三世代世帯に暮らしている高齢者は13.2%にまで落ち込んでいます。

一方で単独世帯は1980年時点では10%程度であったのに対し、2013年には25.6%と4人に1人を上回る数字になっています。

高齢夫婦のみの世帯も1980年では16.2%であったものが2013年には31.1%へとほぼ倍増しており、高齢者のみで生活をする世帯が高齢者全体のうち約56%にまで増えています。

世間的なイメージとしては、ここ最近高齢者の孤独死などがメディアで取り上げられることもあることから、「寂しくてかわいそう」「一緒に住んであげない家族は冷たい」といったような意見が聞かれます。

しかしそこで同じく内閣府による意識調査では、今現在一人暮らしをしている65歳以上の高齢者のうち、自分の感じている幸福度を訪ねた見るとその約28%は10段階の5と回答しています。

最も不幸を「0」、最も幸福を「10」として数値で回答してもらうと、平均値は6.56と必ずしも不幸と思っている人が多いわけではないということがわかります。

ただそうした一人暮らしをしていて、日常生活で不安に感じていることを尋ねてみると「健康や病気」「寝たきりや介護が必要になること」といった健康面を気にする回答が目立っています。

まとめると一人暮らしの生活にはそれなりに満足はしているが、将来自分の体がきかなくなってしまうということが怖いというふうに思っている人が多いということでしょう。

「介護は子供の仕事」という意識が薄れつつある

明治から昭和初期の家族像では、親の介護はそこに嫁入りをした女性の責任に押し付けをされてきました。

しかし現在では女性の地位も向上し、社会全体の意識も変わったことから「介護は嫁の仕事」という常識ももはや過去のものになってきています。

上記の調査の別の項目でもし将来自分の体がきかなくなってしまったとき、その介護は誰に頼りたいかという設問に「子供」と答える人は約31%、「子供の配偶者」と答えた人はわずかに2.1%となっています。

一方で「ヘルパーなどの介護サービス」と回答した人は全体の51.7%にものぼっており、自分の生活に子供や孫を巻き込んで迷惑をかけたくないと考える高齢者が増えたことがわかります。

元気なうちはできるだけ自分で自分の身の回りのことをすることが健康増進になりますので、今後は見守りなどのサービスが高いニーズとなっていくことでしょう。