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相続でトラブルが起きないために

遺産相続でトラブルが起きないための予防策

人生の最期をきれいに迎えるために行うのが終活ですが、それをしていくときに避けて通れないのが相続対策です。

よく「自分には大した財産もないから相続対策はいらない」とうそぶく高齢者がいますが、相続の問題はそんなに単純なものではありません。
というのも相続の対象となるのは銀行の預貯金などの現金だけでなく、家屋や土地などの不動産、また株や国債といった金融資産全てが対象になるからです。
さらにプラス部分となる財産や資産だけでなく、ローンの残りや借入金、抵当に入っている物件、さらには誰かの連帯保証人になっていたという場合の継承問題なども発生してきます。

実際に相続が発生してみてその複雑さがわかるということもありますので、自分には関係ないと思わず、必ず終活の一貫として自分の財産目録を作る作業はしておいてもらいたいです。

実際のデータを見ても、相続権を持つ人同士の話し合いだけでは決着がつかず家庭裁判所の調停に持ち込まれた事例のうち、約3割が1000万円以下の相続財産のケースとなっています。

もっとも割合が多いのは1000万円~5000万円までの43.7%であることを考えると、必ずしもテレビドラマや映画のように多額の相続財産がある家庭にのみ争いが起こる訳ではないことがわかります。

事前に相続財産をはっきりさせておくことが重要

相続でもめる原因になるのは、その相続財産の内訳がはっきりしていないことにより、特定の相続人のみが勝手に使い込みをしているのではないかと思われてしまうからです。

相続権のある家族が全員身近にいるということは少なく、例えば親と同居をしている家族と遠方に暮らす家族などがいたりします。
家計を別にしている場合、被相続人の財産については憶測で考える場合が多く、そこから「生前に使い込みをしただろう」「勝手に名義変更をしただろう」といったような争いが起こってしまうのです。

実際にそうした使いこみや隠匿をする相続人もおり、その場合「自分が世話をしたのだから使って当然」といった思い込みをしていることもあります。

法律では相続分についてはかなり細かく規定があり、また生前に贈与をする場合どういったケースまでが認められるか、というようなことも前例により明らかになっています。
ですので相続で家族がもめないようにするためには、まずは今後相続が起こるとしたらどこまでが分与の対象になるかを明確にしましょう。
どういった方法で分配をするかということを、あらかじめ話し合いしておくことにより、のちの争いを防ぐことができるようになります。

自分の死後家族同士が仲違いをしないためにも、きちんと第三者を入れて準備をしておきたいところです。