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血液がんの予防

高齢者に多い血液がんについて

日本人の死亡原因第一位である悪性新生物(がん)ですが、これは全身どの部分にも発症する病気です。

国立がん研究センターの統計によると2016時点で最も死亡数の多いがんは肺がん、ついで大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がんと続いていきます。
このことから内臓部分にできるがんの恐ろしさがわかりますが、その他にも血液中にできるがんも注意が必要です。

血液のがんとされている病気は主に「白血病・骨髄異形成症候群」「悪性リンパ腫」「多発性骨髄腫」の3つがあります。

内臓部分のがんの場合、早期に発見をしてがん細胞が発生した場所を除去することにより進行を防ぐことが可能です。
一方、血液のがんの場合、発症した時点で既に全身に回ってしまっているため、完全に除去することができません。

血液のがんの罹患率は人口10万人あたり13人程度と決して多いものではないのですが、ここ近年ではじわじわと上昇する傾向にあります。
割合としては男性:女性で3:2となっており、発症時期のピークは60~70歳代です。

血液のがんの中でも最も広く知られているのはやはり「白血病」でしょう。
白血病が注目されるようになったのは広島で被爆を経験した人の罹患割合が一般と比較して急性白血病が約46倍、慢性白血病が約186倍という大きな数値になってからです。
しかしその後放射線による被爆以外にもウイルスや抗がん剤による二次性白血病になる人も発見されるようになり、その他遺伝や化学薬品由来で発症したと思われる人もいます。

白血病の発症原因はまだ完全に判明したわけではなく、それだけに高齢者にとっては大変怖い病気と言えるでしょう。

早期発見が最も有効な予防手段

他のがんと比べて治療の難しい血液のがんですが、現在では医学も発達しており絶対に治らない病気ではありません。

例えば白血病の初期症状として、体内の白血球が減少することにより口内炎や肺炎などの感染症にかかりやすくなり、原因不明の発熱が見られるようになります。
その他赤血球減少により貧血を起こしやすくなったり、血小板減少により皮下出血や粘膜出血などが起こるでしょう。

がんの早期発見のために血液検査を導入する医療機関も増えてきており、世界中の医療機関で血液からがんの発見ができる技術が開発されてきています。
毎年の健康診断で血液検査をしていくことにより、急激な白血球や赤血球の数値の上下がわかりますのでそこから血液のがんを発見しやすくなるのです。

放置をすることにより他の病状を誘発する原因になってしまいますので、まずはできるだけ若い時期から定期的に健康診断を受けるようにするのが、長く健康を維持するためのポイントになってきます。