高血圧の特徴や予防策について
高齢者がかかりやすい生活習慣病の一つが高血圧です。
高血圧はかなり多くの高齢者が罹患をしている症状であり、悪化をすると他のさまざまな病気の原因になってしまいます。
まずなぜ高齢になると高血圧になりやすいのか、から説明をすると、年齢が高くなることにより血管が老化をしてしまうことが最も大きな原因です。
人の体は筋肉や骨など年齢を重ねることにより強度が弱くなっていってしまうものですが、血管も全く同じで次第に弱くなってしまいます。
老化した血管は若い時期と比較して硬化して柔軟性をなくしてしまい、血液の流れがしにくくなっていってしまいます。
また血管の壁の内側が厚くなるという「肥厚」という現象も起こるので、血管全体が細くなって、それが血圧を上げてしまうことになるのです。
血圧が正常な人は計測をした時に「上の値」と「下の値」の差がほとんどなくなるのですが、高齢化をしてくると次第にこの差が大きくなり、特に上の値が非常に高くなってしまいます。
高血圧状態そのものはそれ自体でどこか病気を引き起こすというものではないのですが、高血圧状態が長く続くことにより、動脈硬化など血管由来の大きな病気の原因になってしまうでしょう。
そのため高血圧のことを「サイレントキラー」と呼ぶこともあり、自覚症状が乏しいまま深刻な病気を誘発しやすくなっていっていくという特徴があります。
どんな人でも高齢化をすることにより、若い時期よりも高血圧になりやすくなってしまいます。
ですので、それを踏まえたうえで早い時期から高血圧に備えた予防対策をしていくことが必要です。
高血圧を防ぐための生活習慣
日本は諸外国に比べて、特に高血圧傾向の高齢者が多いとされています。
これは伝統的な日本食に塩分の高いものが多く、また運動不足気味になることが多いからです。
さらにここ近年では動物性脂肪を含んだ食事や糖分の高い食事が好まれるようになってきたことから、今後ますます高血圧となる高齢者は増加していくことでしょう。
高血圧を防ぐための食生活としては、脂質・塩分・糖分を控えめにするとともに、野菜や果物などを多めにとることが大切です。
特にみそ汁や漬物、煮物などではみそや醤油などを入れすぎないようにし、減塩を意識した献立にしていきましょう。
食事以外の高血圧予防対策としては、汗をかいたらできるだけすぐに水分を補給するということや、温度の差があるところを急激に移動しないようにすることを心掛けましょう。
寒い冬の時期に突然熱い風呂に入ると血液が突然高くなり、心臓に大きな負担をかけてしまいます(ヒートショック)。
できるだけ体を冷やさないようにし、血行を良くするために適度な運動習慣をつけましょう。